歴史フリークの私め、アイドルのおっかけをするように歴史のスターのおっかけをしております。
たとえば西郷さんに会いたい!
こう思い立ったら、実際、会いに行きます。
……西郷さんのお墓参りに行くわけです。
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まるで友達に会いに行くような気分でお墓参りをしています。
「あなたに会いたくてここまで来ました」
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墓前にお線香を供え、まるで歴史のスターが生きているかのように、会話をしています。 ぜいたくな時間を過ごしていると思います。
なんてったって英雄と一対一で会えるんですから。スターをひとりじめしちゃう喜びです。
ところが一般的には
「気味の悪いことをしている」
陰湿なイメージがあるようで変人扱いされてしまいます。
……でも、この墓参をしている人は意外に多いのです。
専門用語で
【掃苔録】
(そうたいろく)
といいます。
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ちなみに、こちらが西郷隆盛のお墓です。
鹿児島市・南州墓地 |
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わが師・青空うれしも、そんなひとりでした。
『有名人のお墓を訪ねる会』を主宰し、日本各地を旅する道すがら写真におさめていました。
これも『ご縁』でありました。
墓を訪ねて三千里!
私めなりの『訪ね方』をして今日にいたっています。
歴史のスターに会いに行く。
これは歴史散歩のジャンルのひとつです。
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皆さんも、その『意識なくしちゃって』いるものなんです。
たとえば、左の写真です。
赤穂浪士の墓は、はとバス観光のコースになっています。
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けっして、墓参りするつもりではなかったんだけれど、観光のついでに『お参りしちゃった』わけです。
私めども好事家は『お墓参り』という意識をもっていますが『観光しちゃった』お墓参りという人たちがいるわけです。
そして、その人たちの数の方が圧倒的に多いわけです。
はとバス観光の団体客たちが供えたお線香の煙の凄いのなんの…
「火事だぁ」
初めて泉岳寺を訪ねたとき、119番通報してしまいそうになりました。
今日も、観光客のおかげで赤穂浪士墓所に香華の絶えることはありません。
お墓参りに訪れる年間・観光客数を想像してください。
お墓参りされる歴史のスターの第2位であります!
…そうです、堂々の第2位です。
この口上の頁では、そんなトップスリーもご紹介しましょう。
第1位は福島です。
会津若松です……と、ここまで記せばお分かりでしょう。
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会津を観光する人なら必ず訪れところです。
戊辰戦争の悲話を伝える白虎隊の墓所……。
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毎日、観光バスが何十台と立ち寄っていますから、泉岳寺の赤穂浪士の墓所と同様、飯盛山はまるで山火事のように香華は絶えません。
お墓が観光名所となっている
歴史フリークのお墓参りは、けっして悪趣味ではないとお分かりいただけましたでしょうか?
さあ、トップスリー。
第3位……発表の前段をさせていただきます。
「お彼岸だからお墓参りに」
このライフスタイルが定着していますが
「最近こんなことがあったから大好きだったお婆ちゃんに報告に行こう」
年中行事感覚ではなくて
「お婆ちゃん、こんにちは。実はこのあいだ、こんなことがあって…」
会いたくて訪れるお墓参りがあるはずです。
「お爺ちゃん、こんにちは」
肉親や親族の他に
「お世話になったあの人に…大好きだったあの人に…」
他人へのお墓参りもしていますよね。
墓を訪ねて三千里は、この延長線であります。
「龍馬さん、また来ちゃいました」
私め、何度この墓前にぬかずいて酒を飲み交わしたことでしょう。
お待たせしました第3位です。
坂本龍馬!
第1位と第2位は観光バスによる団体、御一行さまがお参りしていますが、こちらは
「龍馬さんに会いたい!」
この目的意識をもった人が訪れています。 |
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あまりに多くの人がお参りに来るので、近年は監視カメラが設置されるようになりました。
そうなんです、歴史のスターのお墓は保護が必要なんです。
…このことは『御利益・墓』の頁でふれましょう。
ともに眠る中岡慎太郎
「中岡もここに居たんだぁ」
失礼な表現となりますが、坂本龍馬のおかげで、お参りされています。
言わば『隠れ3位』です。
でも、逆に言えば
「中岡にも会えた」
歴史フリークにとって望外の喜びがあります。
そうなんです、墓地を訪ねていると目的外のお墓に出会えることがあるのです。
…このことは『墓地事情』の頁で詳しくふれましょう。
ともに眠る藤吉
坂本龍馬の墓所には、もうひとり、下僕だった藤吉の小さな墓があります。
訪れるほとんどの人は、その存在に気づきません。
そうなんです、歴史のスターの傍らにある、ゆかりの人物の墓は、なんと多いことでしょう。
…このことは『小さな墓たち』の頁でふれましょう。
お墓参りを通じて、いろ〜んなことを教えられました
日本列島を西東、まさにタイトル通り、墓を訪ねて三千里した見聞録をここにまとめてみます。
目次より御入場くださいませ。 |