08年07月15日
 

「あっ、花札の絵柄だ」
  感じ入った、おところは愛知県春日井市。
 小野道風ゆかりの地でございます。
 おののとうふうとは、聖徳太子が派遣した遣隋使として知られる小野妹子の子孫です。
 小野一族は大雑把にいえば、政争から離れ学芸の道へと転じました。
 そして道風は平安時代、書の大御所、 藤原佐理、藤原行成と並び 日本三蹟のひとりとして称された人。

(高校時代、古典を教えて下さった先生は『とうふう』では『みちかぜ』とおっしゃっていまして、私め、みちかぜ派なのですが、ここでは圧倒的多数派に譲り、『とうふう』で通します)

 で、ありながら俗な花札で連想してしまう方も多いはず。
 それがこれです。

 柳に蛙

 道風は、書道の壁に当たり、思い悩んでいたある日、蛙が柳に飛びつこうと、何度もジャンプしているところに出くわします。
「蛙の力では飛びつけるわけがないのに…」
 井の中の蛙と、あざ笑っていますと、一陣の風が吹き、柳が下にしなった刹那、蛙は見事に跳びついたのです。

 私は蛙ほどの努力をしていない

 東風は自らを恥じます。
  何度も練習することが大切なのだと、その後一生懸命に励み、日本三蹟と呼ばれた。
「東風を見習って努力しましょう」
 戦前の国定教科書、今はなく花札の図柄が平成にまで伝える柳に蛙でございます。

 私めもそうです。
 努力しないで生きていく道はないか
 模索している昨今『柳に蛙』は死語となりました。

「師匠、去年1年間で死語になった言葉はいくつあるか知ってる ? 」 とは、春日井の旅をご一緒した東京ロマンチカのリーダー・鶴岡雅義氏でした。
 答えは
「しご、『 4 × 5 』 20 と言って 20 だよ」
 作曲家として名曲を世に送ったヒットメーカーであり、世界に冠するレキントギターの名手と、鶴岡先生は称えられていますが、ご記憶でしょうか『夜のヒットスタジオ』での、あのオトボケキャラ。
「先生、今のネタ、私めに下さい」
 鶴岡先生、駄洒落の天才でした。

 

 
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