長野は千曲市にある旧宿場町、稲荷山を散策していると写真のお地蔵様がいました。
色つきです。
朱色に染まっているのがお分かりでしょう。
彩色地蔵?
長野県内に点在する道祖神の中には彩色されたものが多くあります。その地蔵盤かもしれません。
これはネタゲット! とばかりに
「どんな謂われがあるのでしょう?」
近隣の人を尋ね歩きましたが
「…………」
誰もその由来を知りません。
疑問が解決せずにしておくというのは面はゆいものです。
とはいえ、仕事の合間の散策です。
後ろ髪を引かれる思いで松本へと移動しました。
これも地蔵菩薩のお導きでしょうか、松本で難問解決することができました。
お分かりでしょうか?
謎解きしてくれた松本のお地蔵さんの顔や胸の周辺が朱色に染まっています。
篤志家の人がお地蔵さんに頭巾、前掛けを奉納してあげていたわけですが、その赤い染料が色落ちして地蔵の顔、胸に着色しています。
稲荷山のお地蔵さんは彩色されたものではなかったのです。
寒冷地ゆえ、防寒の意味で着せてあげていたものから着色してしまったのでした。
彩色地蔵のオチは色落ちというオチでございました。
どうも、最近は深読みしてハズしてしまうことが多くなってまいりました。
そうそう、稲荷山の隣町、上田にはこんなお地蔵さんがいました。
唇に口紅が塗られています。
「どうか綺麗になれますように」
地蔵の顔に化粧して美顔祈願をする化粧地蔵があります。
このお地蔵さんも、そんなひとつかもしれない
「口紅地蔵では?」
と、
お寺の方に尋ねたら
「あっ、また子供がイタズラした」
この一件、ゾ〜っとしました。
というのも、旅のお供に『徒然草』の文庫本を読んでいましたら、同じような一節があったからです。
聖海上人という偉いお坊さんが丹波の出雲神社参詣のおり、後ろ向き据えられた狛犬を見て感動し、その由来を神主さんに尋ねますと
「童の悪戯なりけり」
私めの、珍・日本紀行も徒然草の高みに……。
なんちゃって。
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