07年9月11日
 

 9月4日、JAさがみさんのお招きで
『珍・日本紀行in茅ヶ崎』
  をさせて戴きました。
 今回は、その一端をご案内しましょう。

「 ダイクマで買い物」
 かつて茅ヶ崎に行く楽しみのひとつでした。
 今は日本中にディスカウントストアがありますので、
「旨いもの食べに行くぞ」
 茅ヶ崎グルメが最大の楽しみです。
 茅ヶ崎は美味しいお店がいっぱいあります。
 私め、必ず立ち寄るのが横浜飯店です。
 ここの 『五目そば』は
『 醤油味でスタンダードな五目ネタの素材を活かし、熱々仕上げのところを喉ごしのいい麺』
 という 珠玉の一品で『サンマー麺の特上』をイメージして下さいませ。
(地元では『肉そば』が一番と言う人も多い)
 
  そして相模湾の魚で一杯!
 えぼし本店の雰囲気が好きでございます。
 鶏焼きの名店、鳥仁もいいですね。
 そうそう、お土産にシラス弁当もなかなかのものです。
 おっと忘れちゃいけない、茅ヶ崎名物のこれ、でかまんです。

でかまん

 一番、小さいものが普通のお饅頭サイズで、でかまんの名の通り、十倍の大きさが本来のものです。
 これは旧東海道の面影を今に伝えるひとつです。
 江戸期からあり、街道名物のジャンボ饅頭として名を馳せていたのです。
 同じように東海道の昔を今に残す名物が各地にあります。
「東海道左富士は茅ヶ崎と静岡の吉原」
 それら点と点を結ぶと線になる。
「赤とんぼ、ゆかりの地は茅ヶ崎と……」
 そして点と点と点を結ぶとかたちになるという、茅ヶ崎と共通点のあるものを綴った90分でした。

 ……えっ、これで終わっちゃ短すぎますか?
 ……それじゃもうちょいと参りましょう。
 
 ここはどんなところなんだろう? 
 
初めて 訪れる地を知るには、下を向いて歩きましょう。

茅ヶ崎マンホール

 マンホールです。
 茅ヶ崎のものは写真のように『 相模湾に浮かぶ烏帽子岩、空にカモメ』が描かれています。
 マンホールを見れば、その土地が分かるというのは、御当地の特色がデザインされているからなのです。
 茅ヶ崎は道からも分かるようになりました。

雄三通り

 加山雄三さんのお住まいのあった通りは雄三通り。

サザン通り

 こちらは、あまりにも有名ですね。
 サザンオールスターズに因む、サザン通りです。
 このように最近、茅ヶ崎は通りを愛称で呼ぶようになりました。
 つまり、通りを行けば茅ヶ崎出身の著名人が分かるのです。

大岡越前通り

 さらには御当地のキーパーソンの名も、であります。
 大岡越前と茅ヶ崎?
 ピンと来ない方も多いでしょう。
 それは家康の江戸入府に従った大岡家が茅ヶ崎に領地を与えられたご縁です。
 ですから大岡家の菩提寺も、もちろん茅ヶ崎にあります。

大岡越前菩提寺

 もちろん、大岡越前こと大岡忠相公も眠っていらっしゃいます。
「はい、こちらです」
 と、ナンのてらいもなく、今までご紹介して参りました。
 まして、珍・日本紀行のネタ群で
「墓を訪ねて三千里」
 師匠・青空うれしより、皆伝してもらったものですから、私め自身、お気に入りのコーナーだったのですが
「お墓は……どうもネ」
 という、ご感想が多く、歴史フリークの方が集う時以外はやるまいと決心した今日この頃です。
 でも、見て戴かないとハナシにならないので、この一枚だけご覧戴きました。

大岡越前の墓

 墓を訪ねて三千里を禁じ手にしながらも、ご覧戴いたのには、墓所の左手にご注目下さい。
 ヘンな石像がありますよね。

巾着の石像

 邪鬼のような、怪しいものが袋を頭に乗せています。
 墓所の中には、その人物ゆかりのモニュメントがあり、墓参すると感慨を深めてくれるものがあります。これもそんなひとつ。

 世に名高き大岡政談に由来します。
 
 名奉行として今の世にまで名を残す大岡越前。
 江戸町奉行となって最初に行ったのが、当時横行していた巾着切り、スリの取り締まりでした。
  ところが、

「すれ違い様に他人の懐のモノをかすめるとは見事な技術である。これは捕られる方が悪い。これより巾着切りは公儀が許可をする。大いにスリをさせよ」

 まあ、とんでもないことを言い出しました。

 喜んだのは巾着切りたちです。
「スリをしても良い免許を下さるそうだ」
  江戸中の親分格が集まりますと

「その方どもがスリの頭目であるか、いや日頃の手並みの鮮やかさ越前感服いたす。これまでの奉行は取り締まりを厳重にしたそうだが、今日より天下御免の巾着切りとしてつかわすから、思うままに盗みをせよ。
  …しかし、天下御免を示す印がなくてはならぬゆえ、これより監察をつかわす。それをなくさぬよう盗みをいたせ。もし監察を持たずしてスリをはたらければ即刻死罪を申しつける」

 こうして監察が配られたのですが、監察を見てスリたちはびっくり

「長さ6尺、幅1尺」
  といいますから長さ 1 m80 ?幅 30 ?。という大きな監察です。 おまけに、これまた大きな文字で

 天下御免の巾着切り

 と焼き印されていました。
 これじゃスリはできません。
 たちまちのうち江戸市中からスリがいなくなったという、大岡政談「天下御免の巾着切り」。
  江戸中の巾着を守った故事から巾着切りの石像、さらには

巾着の賽銭箱

 巾着の賽銭箱がつくられたというわけです 。
 いつものように、ミニ講談にして綴りましたが、いいもんですね。
 ゆかりの地・茅ヶ崎でやれたんですから。

 珍・日本紀行in茅ヶ崎ですから、この他にも茅ヶ崎限定ネタをさせて戴きましたが

  初めて見た、聞いた 。

 
  という方もいらしたものですから
「 灯台下暗し、ご町内を散歩じゃなくて観光しましょう」
 茅ヶ崎再認識すなわち、ニッポン再発見と〆させて戴きました。
 
 嗚呼、今も耳に残る鳴りやまぬ拍手の音。なんちゃって。

 

 
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